ワンダープロジェクトJ3

〜第十六章〜


「ガンテさん、アッシュは大丈夫なんですか?」
アッシュの治療を終えて出てきたガンテにミントは訪ねた。
ジョゼットとクララも心配そうな顔をしていた。
「なあに、大丈夫じゃよ。ちょっとだけスリープ状態になっただけじゃ、すぐに目
覚めるじゃろう」
「良かった・・・ありがとうガンテさん」
ミントは心からガンテに感謝した。ジョゼットとクララも嬉しそうに微笑んだ。
「しかし驚いたよ、アッシュがギジンだったとはな」
「すみません・・・騙すつもりは・・・」
「いやいや、ワシは何も怒ってはおらんよ。じゃが何故急に機能が停止したかが
分からんのじゃが」
「クララちゃん、アッシュさんが倒れた時に何か言ってなかった?」
ジョゼットはクララに聞いた。クララは「う〜ん」と頭をひねるとある事を思い出
した。
「お兄ちゃん、倒れる前に『アリシア』って言ってたよ」
「アリシア?それってまさか・・・」
ミントが何かを言いかけた時、
「ガンテ、いるかい?」
4人のいる部屋にカレンが突然入ってきた。その後ろには一人の老人がいた。
「おやカレン、どうしたんじゃ?それとそのお方はどなたじゃ?」
「それよりもアッシュは大丈夫かい?倒れたらしいって聞いたけど」
「ああ、それなら・・・おいアンタ、何する気じゃ!?」
老人はアッシュの寝かされている部屋に入って行った。そこにはアッシュが眠って
いるように横たわっていた。
「アッシュ・・・まさかこんな形で会おうとは・・・」
「あの人は誰なんですかカレンさん」
ジョゼットがカレンに聞くと
「あの人は、アッシュを造った博士さ。セス・ブランドルって言うらしい」
「セス・ブランドル!?」
カレンが話すとガンテは大声を上げて驚いた。その勢いでその場にいた全員が飛び
上がるほど驚いた。
「ガ、ガンテさん知ってるの?」
ミントが驚きを隠せない状態でガンテに聞くと、ガンテも同じく驚きを隠せない様
子で話した。
「知ってるも何もあの人はトロイという国で無許可でギジンを造って投獄されとっ
た人じゃよ!しかも度重なる脱獄未遂で30年近くも投獄されとったらしい!」
「30年!?ということはアッシュさんが鍾乳洞にいた時期と重なる・・・」
「あ、そういえば少し前にお父さんがそんな事を話してたような?」
「セス博士・・・聞かせてくれるかい?何があったのか・・・」
「ああ、分かった」
セス博士は皆の前で事の真相を話し始めた・・・・

「そんな事が・・・それでアッシュは記憶を」
話を聞いたミントの眼に、深い悲しみが浮かび上がっていた。
「そうじゃ、私は愚かだった。死んだ息子の代わりを造ったばかりに・・・」
「そんな、そんなことないですよ。だって博士がアッシュを造らなかったら私は
アッシュと出会えなかったし、それにこの島にも来れなかった」
「そう言ってくれるのか・・・ありがとう」
「そうか・・・どうりで見た顔のはずだよ」
「アッシュ!?」
アッシュが突然スリープ状態から目覚め、皆の前に姿を現した。
「アッシュ、無事じゃったか!?」
「久しぶりだね博士、こんなところで会えるなんて思わなかったよ」
「す・・すまんアッシュ、私が至らなかったばかりに・・・」
「そんな事ないって、俺は今こうして博士と会えただけで良いさ」
「アッシュさん、見た顔ってどういうことですか?」
ジョゼットがアッシュに聞いた。
「俺がミントと初めてあった時、何処かでミントの顔を見たような気がしたんだ。
今ようやく分かったよ、ミントはアリシアとそっくりなんだ」
「おお、言われてみれば似ている」
セス博士はミントの顔を見て驚いていた。ミントは少し照れたような様子だった。

「ねえアッシュ」
「何だ?」
それから数時間後、アッシュとミントの二人が船へと足を運んでいた時、ミントは
アッシュに問いかけた。
「これからどうするの?島に戻る?それとも・・・ここに残る?」
「・・・俺・・・とにかく一度戻る。ロイとショーンにこの事を報告しないといけ
ないしな。全てはそれからでも遅くないだろ?」
「そう・・だね」
(でも・・・アッシュがもしここに残るって言ったら・・・離れ離れになっちゃうの
は・・・嫌だよ)
「どうした?具合でも悪いのか?」
「う、ううん!何でもないよ。さっ、帰ろ」
「????」
アッシュはミントの思いには気が付いていなかった。

第十七章に続く・・・


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