ビュオオォォォォォォ・・・・・・・・
「まったく、ひどい天気だよ。客が来れないじゃないか」
ここはカレンの居酒屋、今夜は嵐が島に訪れている。外では突風と共に激しい雨が
瀧のように窓ガラスや壁にぶつかっていた。
「これじゃあ商売あがったりだね、ジョゼットも来ないし・・・おや?」
突然店の扉が開き、扉の向こう側からびしょ濡れの一人の老人が姿を現した。
「いらっしゃい、ご注文は?」
「いや、ちょっと聞きたい事があるんじゃが。コルロ城はどうなったんじゃ?」
「コルロ城?」
「先程島に着いたのじゃが森だらけで・・・コルロ城も無くなっていて・・・」
「・・・あれ?もしかしてアンタ・・・セスおじさんかい?」
「ん?ワシを知っておるのか?」
「ほらアタシだよ、カレンだよ」
カレンが自分の名を告げると、老人・・・セス・ブランドルは顔を綻ばせた。
「おおカレンか!?あの時のおてんば娘か!?こんなに大きくなりおって」
「そっちこそ今まで何処行ってたんだい?30年くらい前に突然いなくなっちゃって」
「いや実はな、とある事情で島を出て行ってそれで・・・・」
「・・・えっ、30年も投獄されてたのかい!?」
「そうなんじゃ、情けない話じゃがの」
「そうだったのかい
「それで、コルロ城はどうなったんじゃ?何だか町も少し小さくなったようじゃが・・・」
「・・・・コルロ城は壊されたよ・・・王様も王妃様も・・・死んでしまった」
「何じゃって!?」
「アタシはそうなる前にブルーランド島に移住してたから大丈夫だったけどさ」
「そうか・・・・のわ!」
「ちょ、ちょっと大丈夫かい!?」
セス博士は濡れた床で足を滑らせ転んでしまった。その拍子に1枚の写真がセス博士の服から落ちた。
「ああ大丈夫じゃ、心配には及ばんよ」
「あれ・・・この写真は・・・」
カレンは写真を拾い上げるとその写真をよく見てみた。
「アッシュ!?」
カレンは驚きのあまり声を上げた。そこには若い頃のセス博士と共にアッシュらしき青年の姿が会った。
「何じゃ!?アッシュを知っておるのか!?」
「知ってるも何もアッシュは今この島で暮らしてるよ」
「暮らしてるじゃと!?何処じゃ、あ、案内してくれ!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ、どうしてアッシュがこの写真に写ってるんだい?」
「そうか・・・お前はアッシュを覚えておらんのか・・・まあ小さかったしめったに会わなかったからのう・・・アッシュはワシの造った"ギジン"じゃよ」
「アッシュが・・・ギジン・・・?」
「ただいまー」
その時、サファイアが帰ってきた。
「ん?カレン、この子は誰じゃ?」
「ああ、アタシの娘さ。サファイアって言うんだ」
「母さん、この人誰だい?」
「それよりもサファイア、アッシュを見なかったかい?」
「あ、アッシュならさっきジョゼットとミントが運んでいたよ。倒れたらしいんだ」
「倒れた?」
「だけどおかしいんだよな、二人が向かってたのはガンテの修理工場の方向なんだけど」
「ガンテの修理工場、セスじいさん行くよ!」
「分かっておる!」
「ちょ、ちょっと何処行くのさ〜!」
サファイアが「さ〜!」を言い切る前に、二人は外に走り出て行った。