ワンダープロジェクトJ3

〜第十章〜


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
鋼鉄の巨大な扉がゆっくりと開いた。扉の周囲は20メートル近くはありそうな鉄の壁、そして壁の上には電流の通った金網が設置されている。ここは監獄なのだ。
「お世話になりました・・・」
扉から出てきた一人の老人は門の隣に立っていた二人の看守に一礼すると、その場を去った。
「まったく、あのいまいましい男め。二度と来るな」
中年の看守は怒りに満ちた顔でそう言うと、扉の開閉スイッチを押した。
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・ガキャン・・・
扉は完全に閉まりきった。
「先輩、さっきのは誰だったんです?」
若い看守が中年の看守に聞いた。
「ああ、お前は知らなかったんだっけな。アイツはセス・ブランドルという奴だ。政府の許可なくギジンを造ろうとしたうえに何度も脱獄未遂で罰を受けてな、結局30年近くもここにいたんだぜ」
「30年も!?」
「ああそうさ、まったく何を考えているんだか・・・」

セス・ブランドルは道をとぼとぼと歩いていた。その目には何故か悲しみが浮かんでいる。
「"アッシュ"・・・無事だろうか」
彼はポケットから写真を撮り出した。そこには若かりし頃の彼が、そして・・・アッシュが写っていた。
「一先ずコルロ島に帰ろう・・・一度出て行って戻るのも情けないが・・・」
彼はまた歩き出した。

アッシュとミントはガンテの修理工場に向かっていた。
「でも大丈夫かな」
ミントは不安そうにアッシュに聞いた。
「何がだ?」
「だって町の人の話だとガンテさんはとっても頑固で偏屈だって話だよ。ちゃんと働けるかな」
「ま、行ってみなくちゃ分からないな・・・お、ここだぞ」
二人は工場の中へと入って行った。

あちらこちらに壊れた潜水艇なとが置かれている、それに少々油臭い。だが二人はこのような異臭はすでに慣れていた。
「あのー、ごめんくださーい」
ミントは人を呼んだが誰も出てこない。仕方なくもう一度
「ごめんくださーーい!」
今度は声を張り上げて言った。すると、
「やかましいぃっ!!一度言えば分かるわいっ!!」
「ひゃあ!」
怒鳴り声と共にガンテが現れた。ミントはアッシュの後ろに隠れた。
「何じゃお前達は」
「あ・・あの、役場で登録してきたんですけど・・・」
ミントがおどおどして答えた。
「何を持ってるんだ?」
「何を持ってるかって・・・何だろ」
「(仕事の技術だろ)」
アッシュはそっとミントに耳打ちした。
「は、はい家が修理屋なので機械とかには詳しいです」
「そっちもか?」
「はい、アッシュも結構詳しいですよ」
「そうか、では早速手伝ってもらうぞ。きっちりやれよ」
「はい」
「分かった」
二人は頷いたが、これからとてつもなくハードな仕事をするとは思いもつかなかった。

「ミント、ペンチ!」
「はい」
「アッシュ、配電盤を取り換えろ!」
「はい」
「ミント、油差しとスパナ!」
「は、はい」
「アッシュ、レンチとソケット!」
「はい」
「ああせえ、こうせえ!」
・・・・・・・・・・・・・・・そして日は沈んだ。

「もう夜か・・・」
アッシュは窓の外を見て言った。ミントはもうすっかりヘロヘロになっていた。
「ふえ〜疲れた〜」
「あれくらいで疲れるとは相変わらず根性ないな」
「もう、また同じ事言うな!」
ミントの怒った顔を見て、アッシュはクスクスと笑った。
「二人ともよく頑張ったな、これは報酬じゃ」
「え?こんなにもくれるんですか?」
「もちろんだとも、当然の報酬だ」
「あ、ありがとうございます!」
「はっはっは」
ガンテはヒゲを揺らしながら笑った。

「なあ、ミント」
帰り道、アッシュはミントに夢の事を話し始めた。
「何?」
「俺、昨日夢を見たんだ」
「夢って、また落ちる夢?」
「いや、俺を・・・俺を造った人物が出てきたんだ」
「え!?アッシュを造った人って誰なの!?」
「セス・ブランドル・・・間違いない、その人が俺を造った人だ」
「セス・・・・ブランドル?」
ミントはその名をどこかで聞いたような気がした。しかし、思い出せなかった。

第十一章に続く・・・


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